HIROSHI ASAI Blog

三井昌志写真展「渋イケメンの国」

4月13日から4月19日までキヤノンギャラリー銀座にて開催の三井昌志写真展「渋イケメンの国」を訪ねた。去年、雷鳥社から販売されている写真集「渋イケメン」をテーマに構成されており、ギャラリーに入った瞬間から壁面に並ぶエキゾチックな男たちの肖像に圧倒される。三井さんが撮るどの写真にも言えるのだが、「その人物像がもつ輝き」が見事に表現されている。三井さんが魅せるイケメン達の写真は、只々顔立ちが丹精な男達を捉えただけの物ではない。彼らの生きる力強い姿、バックボーンのストーリーを掻き立たせるような魅力をうまく切り取っている。写真展タイトルの響きからするとどこかユーモラスな印象を含んでいるように感じるが、作品群はどれも画としての魅力とドキュメンタリー性を持ち合わせており、観る者を楽しませてくれる。本当に“カッコ良い男”とは何なのか、その答えを知る事ができるような写真展であった。

日時 4月13日(木)〜4月19日(水) 10:30〜18:30(最終日15:00まで) ※日曜休館
場所 キヤノンギャラリー銀座
巡回 梅田(5月11日〜17日) 福岡(6月15日〜27日)

栗田哲男 写真展「虫草 − チベット・極限の標高5000m地帯で冬虫夏草を採る人々 −」

キヤノンギャラリー銀座にて開催中の、辺境写真家、栗田哲男さんの写真展「虫草 − チベット・極限の標高5000m地帯で冬虫夏草を採る人々 −」を観てきた。

栗田さんとは以前からの写真仲間で、偶々知り合う切っ掛けとなったチベットでの撮影では大変お世話になった。栗田さんはチベットに限らず様々な辺境で写真を撮り続けており、よくぞそんなところまで乗り込んだ、と聞いてびっくりするような撮影もされている。同じ写真仲間からとしても、栗田さんの話すエピソードは非常に面白い。

中国に長く滞在されて中国語はネイティブ並ということもあり、中国語圏はほぼくまなく撮影してこられた栗田さん。特にチベットには強い思いがあるようで、幾度となく足を踏み入れている。自分も含め、チベットは多くの写真家が撮影に挑んでおり、なかなか新しい表情を見つけ出すのは困難である。だが、今回の写真群は従来のような仏教的な角度からのアプローチではなく、チベット原産の漢方薬「冬虫夏草」とそれを収穫する家族をドキュメンタリーとして撮影に成功した。

この冬虫夏草は非常に高価で、チベットの奥地でしか採取できずその収穫に写真家としてアプローチするのも非常に困難である。中国語が堪能で、通い詰めた栗田さんだからこそ撮れた作品である。

従来のチベット写真展とは全く異なる今回の写真展。ドキュメンタリーとしても、画の美しさとしても非常に見ごたえのある写真展であった。

また、今回の展示に合わせて作製された力作の写真集もおすすめ。

キヤノンギャラリー銀座は、3月1日(水)まで(最終日15時まで)
キヤノンギャラリー名古屋は2017年4月6日~4月12日
キヤノンギャラリー福岡は2017年4月27日~5月16日

https://www.tetsuokurita.com/

浅井寛司 写真展「BALANCED」

予てよりお世話になっている、綱島の旅カフェPOINTWEATHER様にて写真展をさせて頂くことになりました。旅をテーマとしたカフェということもあって、去年のちょうど今頃にミャンマーをテーマに展示させていただきましたが今回はちょっと毛色の違う作品をという事で廃墟の写真を展示いたします。
硬い理屈を抜きに、廃墟に潜む美しさをご覧いただけたらと思いますのでぜひ足をお運びください。

 人は、太古より自然と調和することで恵みを受け繁栄してきた。しかし、人が得た新たな文明は自然界には存在しなかったコンクリートや鉄骨といった強固な構造体を造り出し、調和という均衡に逆らいながら地を灰色に固め尽くしてきた。

 だが、ひとたび人が去ればそれは機能を失い、時間と共に朽ち果てる。柔靱に萌える新芽は強固なアスファルトをつき壊し、獣が運んだ種が芽吹き、無骨な構造体はやがて緑に覆われる。人が崩した調和を、人が去ることでまるで逆再生かのごとく自然がそれを飲み込むのである。

 人が作り上げた無機質な構造体は、動植物の静かな浸食によって人の寄せ付けぬ森へと帰すだろう。文明が作り出したモノの退廃と自然が盛り返すその狭間に、意図せぬ美の調和が存在する。

 

浅井寛司 写真展「BALANCED」

会場:POINTWEATHER
〒223-0053 神奈川県横浜市港北区綱島西1丁目14 港北区綱島西1丁目14−18

日程:2017/2/14-2017/3/5

新畑克也 写真展「KARADAN〜ミャンマー西の果て、ロヒンギャの村から〜」

新畑克也 写真展「KARADAN〜ミャンマー西の果て、ロヒンギャの村から〜」
綱島のおしゃれな旅カフェ「POINTWEATHER」で開催している、
新畑克也さんの写真展「KARADAN〜ミャンマー西の果て、ロヒンギャの村から〜」を見てきた。
新畑さんとは以前から交流があり、特にミャンマーについての情熱は他の旅仲間から一線を画している。
グループ展など通じて今まで彼の作品を幾度となく見てきてはいるが、今回は初の個展ということで新畑さんの思いがより強く表現された作品群である。
ロヒンギャというミャンマーに難民として移住してきたイスラム系の少数民族にスポットを当てた展示ではあるが、
その作品群からは、このような問題を抱えた人々のテーマ特有にある説教くささは一切感じられず、新畑さんからの彼らに対する純粋ともいえる愛情のような空気感を収めている。
写真を通じて見る彼らの姿に新畑さんの人間性が良く表れており、複雑な事情をもつ人々のテーマに反しどこか微笑ましい展示であった。
直接的な問題提起という手法よりも、まずは彼らを「知る」ところからその背景を知る切っ掛け作りが重要なのだと感じた。

新畑克也 写真展「KARADAN〜ミャンマー西の果て、ロヒンギャの村から〜」
POINTWEATHER
http://pointweather.net/
2016/10/01(土)~2016/10/16(日)
営業時間 11:30~21:00
定休日 月曜、三週目の日曜日、不定休あり、詳細はwebにて

関健作写真展「祭りのとき、祈りのとき」

コニカミノルタプラザ ギャラリーCにて展示中の関健作写真展「祭りのとき、祈りのとき」に足を運んだ。関さんは旅写真仲間として以前から親交があり、楽しみにしていた展示の一つである。写真展と同時出版の写真集は先行販売ですでに入手しており、もちろんその中身も見事ながらその本の造りは非常に凝ったもので所有感をあおる見事な仕上げであった。
ぜひ実物の物を手に取ってもらいたい。
展示内容にある多くの写真は写真集で事前に目にはしていたが、やはりオリジナルのプリントで見る物はまた別である。
本の仕様上トリミングもあるため同作品でありながら展示物とは多くの点で異なっており、写真集と写真展の両方を楽しむことができる。

ブータンを主なフィールドとして撮影を行っている関さんだが、今回の展示はその集大成であり見事な展示であった。
ブータンに限らず様々な被写体を撮る関さんの写真は構図も巧みで、力強いワンシーンからスピーディーな一瞬まで、
その瞬間をしっかりと適切に写し出している。
以前の関さんのブータンの写真は、よりパーソナルな被写体の印象が強かったが、
今回はもう一歩引いたところからみたブータンの一面を見せてくれた。
展示を通して、ブータンという国をぜひいつかこの目で見てみたいと思った。

祭りのとき、祈りのとき
Bhutan
関健作写真展

2016年9月27日(火)-10月7日(金)
10:30-19:00(最終日は15:00まで)
無休/入場無料
作家毎日在廊

コニカミノルタプラザ ギャラリーC
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分
詳しくはこちらから
http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2016september/gallery_c_160927.htm

浅井寛司写真展「生きる、信仰 -Prayers of Tibet-」の銀座開催は本日無事終了いたしました!

浅井寛司写真展「生きる、信仰 -Prayers of Tibet-」の銀座開催は本日無事終了いたしました!
4月に選考通過のお知らせを受け、あっという間に7月の開催日を迎えました。
準備に当たっては多くの方々のご協力と支えがあり、満足の行く展示を開催することができました。

また、数多くの方々が開場にお越しいただき、新しい出会いや繋がりが出来たのは
今回の展示の最大の収穫かもしれません。
キヤノンギャラリーでの展示は一つの目標であったのですが、
今後は写真家としてどう踏み出すのか?という新たなスタートに立つ事ができたかと思います。

写真家として、自分の中にはまだ幾つかの目標があります。
その簡単なものではありませんが、一つ一つ「それ」に近づいているという実感もあります。
すぐに結果が出るものではなく、焦らず機をうかがい「その時」を手に出来ればと思います。

今回の展示は会期が短かったものの、忙しい時間を縫って駆け付けて来てくれた仲間。
遠いところからわざわざお越しいただいた方。
今回の展示のために労力を惜しまずお手伝い頂いた方。
そして、キヤノンギャラリーのスタッフの皆様。
本当に感謝です。

まだまだ写真家として駆け出しではありますが、是非ともこれからもよろしくお願いいたします。

浅井寛司写真展「生きる、信仰 -Prayers of Tibet-」は
梅田、名古屋、札幌の巡回展を控えております。

次回の展示は梅田です。

梅田:2016年07月28日(木) - 2016年08月03日(水)  ※最終日15:00まで
休館日:日曜、祭日
開館時間:10:00-18:00

7月30日(土)は会場に在廊いたしますので、是非よろしくお願いいたします。

写真展1日目終了

本日より開催の浅井寛司 写真展「生きる、信仰 -Prayers Of Tibet-」の1日目が終了いたしました!平日にもかかわらず沢山の方に来場していただき感謝です。
また、オープニングパーティも予想に反し大盛況でした。これだけの多くの方が駆け付けて来てくれた事は一生の宝です。限られた時間で一人一人の方とじっくりとお話ができなかったのは残念ですが、多くの方の支援があって無事1日目が終了いたしました。

駆け付けて来てくれたみんな、ありがとう!!

7/14日(木)より開催 浅井寛司 写真展「生きる、信仰 -Prayers of Tibet-」

残すところ、写真展開催まで10日を切りました。まだまだ時間はあると余裕でおりましたが、気づけばあっという間に開催間近となりました。

7/14(木)より銀座キヤノンギャラリーにて開催いたします。
【開館時間】10:30-18:30

銀座キヤノンギャラリーは日曜、祝日が休館です。
7/18(月)は祝日の休館となりますのでご注意ください!

また、7/14の展示初日は19:00より会場にてオープニングパーティーを開催します。
撤収時間は21:00となりますので参加される方はお早めに。
入場無料、どなたでも参加可能ですが、参加ご希望の方は事前にご連絡を頂けると幸いです。
 

伝わる写真を撮る。

 近頃、縁あってよくお会いする写真家の山崎真さんから「在家佛教」という月刊誌を頂いた。仏教にまつわる情報やエッセイなど、その表題が示す通りの書誌である。表紙はこの山崎真さんが撮影した写真で飾られ、誌面には写真にまつわるエピソードも掲載されている。当然、表紙を飾る写真という物は人の心に「伝たえたいモノ」があるからその価値がある。

 プロが撮っているので当然と言えば当然なのだが、写真は人に見せる事、伝える事に意味がある。撮りためてハードディスクの肥やしにする自己満足では意味がない。写真展もそうだが、このような書誌の表紙を飾り、多くの人の手元に届き目に入る事でその価値は大きく変わる。贅沢を言えば、その写真から「伝ったモノ」がその人の人生の片隅に残れば写真家冥利に尽きる。

 写真を撮る者として自己満足だけではなく、「伝わる写真」を一枚でも多く撮れるように精進したい。

浅井寛司写真展 【生きる、信仰 -Prayers of Tibet-】キヤノンギャラリーにて開催

 少し公表が遅れてしまいましたが、この度キヤノンギャラリーの選考が通りまして写真展を行うことになりました。日程は以下の通りになります。

浅井寛司写真展 【生きる、信仰 -Prayers of Tibet-】

銀座:2016年07月14日(木) - 2016年07月20日(水)
梅田:2016年07月28日(木) - 2016年08月03日(水)
名古屋:2016年09月01日(木) - 2016年09月14日(水)
札幌:2016年09月23日(金) - 2016年10月04日(火)

休館日
【銀座、梅田、名古屋】日曜、祭日
【札幌】土曜、日曜、祭日

開館時間
【銀座】10:30-18:30
【梅田、名古屋、札幌】10:00-18:00

また、銀座初日【07/14(木)19:00】にレセプションパーティーをささやかながら開催予定です。
参加ご希望の方はご連絡をお願いいたします。
参加費無料、銀座キヤノンギャラリーにて。
info@hiroshiasai.com

詳細は追って掲載いたします。

ナショナルジオグラフィック主宰フォトアカデミー「写真集で世界を目指す」

 今日はナショナルジオグラフィックが主宰するフォトアカデミーに参加してきた。「写真集で世界を目指す」というなかなか本気度の高いセミナー名ではあるが、実際の様子はもう少し砕けた感じであった。写真を撮る者であればやはり写真集を出す、というのは一つの目標と掲げる者も多いかと思う。そもそも写真集とは何か?その成り立ちの歴史を聞きながら、今後我々写真家が目指すべき写真集のあり方を漠然と感じることが出来た。

 私にとって写真集とは、作家自身のある意味ポートフォリオでありオリジナルプリントに対して、カタログ的ニュアンスを持っていた。つまりオリジナルプリントと写真集は主従関係のような、オリジナルプリントこそ「本物」といった解釈を漠然ととらえていた。だが写真印刷の歴史、ギャラリーにおける写真の展示手法の歴史を紐解いていくと、出版物という写真フォーマットはまた別のベクトルの作品である、というポイントを見出すことが出来る。オリジナルプリントこそが写真のゴールである、という私の中の概念が覆った。
 日本ではそもそも写真集、もしくはオリジナルプリントを買う、という文化が海外に比べると圧倒的に低い。それは、逆に言うと海外においては写真集やオリジナルプリントに対して対価を払うという文化が浸透しているのである。そして意外にも、日本発信の写真集は特に海外での注目が高いのが今の常識であるとの事である。しかしながらこのムーブメントも刻々と移り変わり、今後は中国、韓国などのアジア圏の作品に注目がシフトしているという。

 写真集を作る上で、写真家自身によるディレクションは当然であるが、多くの人々が関わっていることを今回改めて認識することができた。写真集を包括的にまとめるデザイナー、印刷のクオリティ、方向性を管理するプリントディレクターなど、写真家以外の様々な職種のプロがディレクションを行うことで一つの写真集が出来上がる。それは、単にオリジナルプリントを書籍にそのまま限りなく近い状態でコピー印刷するのではなく、写真集という、オリジナルプリントとは別の表現として着地させるのである。面白いのは、その過程において写真家の作家性は実はこのプリントディレクターの提案によって築き上げられている事も多いようである。かの有名な個性派の写真家も、そう言った彼ら裏方のプロデュースあってこそなのである。

浅井寛司写真展「ビルマの微熱」本日より開催

本日より、浅井寛司写真展「ビルマの微熱」をPOINT WEATHER様にて開催。

軍政から民政へと国家の転換期を迎えるミャンマーの人々の営みをご覧ください。
カラー:20点
会期は2016/2/10-2/28まで。

21(日)は懇親会(12:00-20:00)を予定しておりますので、どなたでもご参加いただけます。
旅の話し、写真の話しなどざっくばらんに、まったりゆるい時間を過ごしましょう!
カレーやマフィンなどの販売も行う予定です。また、当日に限り持ち込み有りとなります。
終日貸切営業ですが、どなたでもご参加いただけますので是非お立ち寄りください。
飛び込み参加OKですが、一言ご連絡いただけると嬉しいです。



★港北経済新聞様より写真展の取材がありました。★
http://kohoku.keizai.biz/headline/1663/

POINT WEATHER 浅井寛司写真展「ビルマの微熱」懇親会

2016年2月21日(日)カフェPOINT WEATHERにて懇親会を開催します。
旅の話し、写真の話しなどざっくばらんに、まったりゆるい時間を過ごしましょう!
カレーやマフィンなどの販売も行う予定です。また、当日に限り持ち込み有りとなります。
終日貸切営業ですが、どなたでもご参加いただけますので是非お立ち寄りください。


場所:POINT WEATHER
日時:2016/2/21(日) 12:00-20:00

みなさんのご参加お待ちしております。

 

浅井寛司 写真展「ビルマの微熱」

この度、旅をコンセプトにしたカフェ「POINTWEATHER」様にて写真展をさせて頂く事となった。

 2015年11月13日、長い軍部による政権化にあったミャンマーに歴史的なターニングポイントが訪れた。アンサウンスーチー氏を筆頭とし民主化を叫んできた国民民主連盟(NLD)が勝利し新たな民主政権を担うことになったのだ。今後大きく民主化へ歩みゆくであろうミャンマー。そんな熱気のさなか、直向きに日々を生きる人々の姿を写真に収めた。

「ビルマの微熱」

 はるか昔、遡ること約1000年。エーヤワディー川周辺には土着の民族による幾つもの小国家が存在していた。だが、中国南部より南下したビルマ人によりその国々が統一され、最初の統一国家「バガン王朝」がこの地に建国される。バガン王朝は先住民族の文化的影響を受け、仏教や文字を取り入れることにより文明民族として大きな繁栄をもたらした。しかし、大乗仏教を廃止し、上座部仏教を国教とした事により、王たちは過度ともいえる寺院建築を始めやがてそれは国力を疲労させるという皮肉な結果となった。

 時代は流れ、ミャンマーは幾度も戦火を交え、植民支配、独立をたどる過程で軍部は軍事政権を樹立する事となる。だが、腐敗した軍政にミャンマーの人々は民主化を叫び、軍部による圧政、武力弾圧を退けついに2015年11月13日、民主化を叫んできた国民民主連盟 (NLD)が歴史的勝利を収めた。

 私がミャンマーに訪れたのは、政治的な熱をピークに迎えようとするその時、NLDが勝利を手にする一月前であった。そこで私が目にした激動の狭間に生きるミャンマーの人々の素顔は、意外にもいたって平穏なものだった。しかし、彼らは目を輝かせて言う。
「軍政が終わればミャンマーはもっと豊かになる」
苦しい貧困を経験してきた国家が、静かな微熱を帯び新たに大きく動こうとしているのだ。

会場:POINTWEATHER
WEB:http://pointweather.net/
場所:〒223-0053 神奈川県横浜市 港北区綱島西1丁目14−18
電話:045-542-2694
営業時間:WEBにて確認
期間:2016/2/10(水) - 2/28(日)
   ※月曜、第3週目の日曜休日。不定休あり。(ウェブにて確認可)

 

中村仁樹 Live with Special Band

 尺八奏者の中村仁樹氏のライブ「中村仁樹 Live with Special Band」のフライヤーに、私が撮影したチベットの写真が掲載された。

 現在TVや雑誌など数多くのメディアで紹介され、話題の和楽器奏者として広く活躍されている中村氏。尺八という日本の伝統的な楽器を携えた中村氏の奏でるその音色は、古典を超えた他に類を見ない中村氏オリジナルの世界観と言える。素朴な音色でありながら壮大な情景を彷彿させる氏の演奏は、どこか懐かしく、そしてまだ見ぬ風景を心象に映し出す。氏の奏でる「音景」に想いを馳せる。それもまた一つの「旅」ではないだろうか。

 

2015年12月21日(月)
吉祥寺曼荼羅
〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-2
TEL 0422-48-5003
18:30 Open / 19:30 Start
前売り¥2,800+1drink 当日¥3,000+1drink

啝 写真展「失われた場所プラニスフィア」

 今日は私の写真仲間である啝(わ)さんの写真展にお邪魔した。以前、私が廃墟をテーマとした写真展に彼が訪ねてくれた以来の仲間である。「星」+「廃墟」というテーマで日本全国を撮りためたチャレンジングな大作である。サブカルチャー界隈において廃墟ブームは幾度となく盛り上がりを見せ、あらゆるフォトグラファーが廃墟を被写体として取り扱ってきたが、彼ほどの力強くビジュアルインパクトのある廃墟写真は見た事がない。あえてこの場で多くの解説は控えるが、今回の写真展において彼独自の表現は「廃墟ブーム」の枠を超えた新たなジャンルとの出会いである。廃墟文化に興味がある方ない方問わず楽しめる写真展であった。


オリンパスギャラリー東京 2015年10月30日(金)〜11月4日(水)
開館時間:11:00~19:00 最終日 15:00(木曜定休)
〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビルB1F

 

 

ミャンマーの旅2015 「君はカスタマーでない。友達だ。」

 彼の名はティン。ヤンゴン国際空港の麓に住む35歳の男だ。体格も良く一見“ちょいワル”な風貌であるが、将来は船舶を運営する会社に入るため船舶学校へ通っているそうである。そんな彼とドライバーのソウミン、私の3人で郊外の村を散策する事となった。

 アジア最後のフロンティアと言われるミャンマーではあるが、ミャンマー最大の都市ヤンゴンはさすがに都会である。貿易が盛んに行われるこのヤンゴンには、エーヤワディー川という国土を縦断する大河が流れておりこのミャンマーの水上交通の要である。エーヤワディー川を渡ると、ヤンゴン都市部とは打って変わり辺り一面水田の地と様変わりする。広大な水田の合間合間に小さな家がポツリポツリと並ぶ光景は牧歌的で長閑である。水田と言っても荒れた沼のように見えるのは稲の植え方が不規則なためであろうか。日本の田んぼを見慣れていると、一定間隔で稲が規則的に並んでいる様子が当たり前である。そんな規則性こそ田んぼたらしめるものなのかもしれない。

 2人のサポートもあって、初日の撮影は順調に進んだ。彼らがいなければ水田に住む人々との触れ合いもシャッターチャンスもなかっただろう。そんな折、ドライバーのソウミンから1つの提案を受ける。

「ミャンマーのローカルな人々や生活を撮影したいなら、飛行機でバガンへ行ってとんぼ帰りなんてもったいない。5日間俺が運転とガイドをしてやるから陸路で転々と村を回るのはどうだ?あとフリーガイドとしてティンも一緒にだ。」

 彼らからの提案に驚いた。本来、撮影の旅は地を巡り、出会い、偶然居合わせた瞬間に撮影のチャンスが生まれる物だ。移動手段として飛行機は便利だが、辺境の生活を巡る撮影にはもったいない代物である。今回の旅は時間も無く、ゆっくりと陸路で自由に散策する手段も持ち合わせていなかったため、飛行機での移動は苦渋の決断だった。もちろん、旅行代理店などを通せば、通訳、ドライバーをチャーターして陸路での撮影も可能だが、代理店のマージンや外人旅行者相手の値段設定など高額な請求は避けられない。とてもじゃないが個人の貧乏写真家にとって気軽に使えるものではない。彼の提案は願ってもない事だったが値段もそれなりになるだろうと思いつつ念のため聞いてみると、彼から提示された額は意外にも払えない値段はなかった。しかしながら予約済みの飛行機代を捨ててさらにプラスの出費は痛い。だが、ミャンマーに来た目的は撮影である。こんな言い方も誤解を招くかもしれないが、本来切望していた撮影のチャンスをお金で買えるならそれは悪い話ではない。そんな風に思った。しばらく考えていると、ソウミンは「今日はまだ時間もある。しばらく考えるといい。」と言って運転を続けた。そして撮影も終盤に差し掛かる頃、私は腹を括った。

「明日から5日間、撮影のサポートをしてくれ。」

 そう告げると「飛行機代を捨てる事になるけど良いのか?もちろん君が良いのなら喜んで運転するが・・・。」彼は少し申し訳なさそうにつぶやいた。本来、長期の仕事を取り付けて喜ぶべき彼が逆に気を使っている様子に彼の人間性が垣間見えた。

「わかった、飛行機代を捨ててまで俺を雇っては出費がかさんで困るだろう。」

 そう言って、交渉成立後にもかかわらず大幅な値引きを彼から提案してきたのである。彼の故郷であるミャンマーの姿を、遥々遠い日本から来た外国人に惜しみなく知ってもらおうとする心意気が感じられた。

 この5日間の撮影で彼らは本当に最高のサポートをしてくれた。撮影の意図を汲んで、インターネットでは見つからないようなローカルな撮影ポイントや、外国人が立ち寄ることもない伝統的な風習を持った村など、彼らは独自にポイントを見つけ出し提案をしてくれる。こちらの出費を気にかけ、食事をご馳走してくれる事もあった。安宿が見つからなければ、3人でここで寝ようと車の中で眠りにつく事もあった。朝陽から夕陽まで隈なく撮影に専念し、陽が暮れ撮影が終わった後、寝る間を惜しんで長距離移動を運転するなど撮影者にとっては非常にありがたい働きをしてくれた。現地のガソリンや高速料金の出費を考えても、彼に支払った対価の残りは本当にわずかな物だったはずである。5日間フリーのガイドとして付いてきてくれたティンも、最後までお金を請求することはなかったし、チップも受け取ろうとしなかった。本当に善意での同行だった。今回の撮影は、彼らとの出会いが1番の財産だったと思っている。

「次にミャンマーに来る時も俺を呼んでくれ。君はカスタマーでない。友達だ。」

 客ではなく友人として歓迎する。似たような言葉を各地で耳にしたが、彼の言葉は疑う事なく心に響いた。彼のその言葉を一生忘れることはないだろう。

ミャンマーの旅2015 「どこへ行きたい?」

 なかなか”やんちゃ”な風貌の2人組。彼らとの出会いこそ私にとって今回最も幸運だったとも言える。彼らとの出会いはヤンゴン国際空港、つまりミャンマーの入国すぐの玄関口である。当初、今回の予定はヤンゴンで1泊、その後国内線でバガンに移り向こうでじっくり撮影に回るものであった。飛行機での移動は点と点を最大限効率よくめぐる手段ではあるが、写真家としてはこの点と点との間にこそ興味をそそられるものである。だが限られた時間の中、効率よく撮影に専念するためのトレードオフの結果、飛行機での移動手段を選択した。

 バガン、マンダレー、インレー湖。主に思い当たるミャンマーの観光地といえばはこの辺りだろう。本来、観光地を避けたローカルな情景をテーマに撮影する事を主な活動としているのだが、ミャンマーというとまだまだ情報の少ないアジアの辺境ということもあり、まずは以前から興味のあったバガンを拠点に選んだ。バガンへのフライトは明日早朝。今日1日はタクシーを拾ってヤンゴン周囲のローカルな村を回る予定を立てていた。
 ヤンゴン国際空港に到着し、1日陽が暮れるまでフリーで動いてくれるタクシーを探していたところ、1人のドライバーが声をかけてきた。「どこまで行くのか」という彼の問いに、「今日陽が暮れるまで1日付き合ってほしい」と述べると少し驚いた様子だったが、すぐに値段の交渉が始まった。撮影のパートナーとして、ドライバー兼ガイドとして働いてくる人材である事が条件であるため、英語が通じる彼は適任であった。撮影の為に色々と付き合ってほしい旨を伝え彼との交渉は成立した。

 ドライバーの名前はソウミン。脂が乗った32歳の2児父である。「ヤンゴン市内ならどこだって案内してやる。どこへ行きたい?」彼は市内観光をするつもりでいたらしいが、残念ながら私の興味の対象は市外のローカルな村である。あらかじめグーグルマップの航空写真モードでおおよそのアタリをつけていた場所の方角へ進むことにした。観光地のハイライトを避けてあえて市外へ行けという私に対して彼は、変な外国人を乗せてしまったと思っていただろうか。だが彼は飲み込みが早く、私の意図を素早く察知し快く運転を続けてくれた。田舎に行くならその辺りに詳しい友人をガイドに誘おう、という彼の提案を受け、もう1人ガイドが付く事になった。