MOROCCO
サハラ砂漠と太陽が燦々と照らす灼熱の国。そんな印象をこのモロッコに持っていた。確かにモロッコ南部は砂漠に覆われた“いかにもらしい”土地ではあるが、今回の旅で見たモロッコの姿は予想をかけ離れるモノだった。ヨーロッパ、アフリカ、アラブをつなぐ土地柄、様々な文化が融合し伝統ある街の多くは世界遺産として登録されていおり、実に豊富な文化を持つ国なのである。
多くのモロッコ人はムスリムのためコーランが鳴り響く街では異国情緒あふれるアラブ世界を十分に満喫することが出来ると共に、モロッコの伝統民族であるベルベル人の街や、世界遺産であるアイット=ベン=ハドゥの集落などのカスバでは、おとぎ話の様な世界を体感できる。建築、衣装、音楽、食、あらゆる面における強烈な個性をもつモロッコは、旅人の心を十分に満たしてくれる。
駆け足の旅であったが、立ち寄ったどの街も見飽きることなくこの目に焼きついている。カサブランカからマラケシュ、アトラス山脈を越えカスバ街道からフェズ、そして青い街シャウエンへ立ち寄りカサブランカへと巡る全ての日々はかけがえの無い思い出となった。先史時代よりベルベル人が北アフリカで文明を築き上げ、激動の歴史得て積み上げられた文化の密度は、多くの人々を虜にするだろう。