HIROSHI ASAI Blog

ミャンマーの旅2015 「どこへ行きたい?」

 なかなか”やんちゃ”な風貌の2人組。彼らとの出会いこそ私にとって今回最も幸運だったとも言える。彼らとの出会いはヤンゴン国際空港、つまりミャンマーの入国すぐの玄関口である。当初、今回の予定はヤンゴンで1泊、その後国内線でバガンに移り向こうでじっくり撮影に回るものであった。飛行機での移動は点と点を最大限効率よくめぐる手段ではあるが、写真家としてはこの点と点との間にこそ興味をそそられるものである。だが限られた時間の中、効率よく撮影に専念するためのトレードオフの結果、飛行機での移動手段を選択した。

 バガン、マンダレー、インレー湖。主に思い当たるミャンマーの観光地といえばはこの辺りだろう。本来、観光地を避けたローカルな情景をテーマに撮影する事を主な活動としているのだが、ミャンマーというとまだまだ情報の少ないアジアの辺境ということもあり、まずは以前から興味のあったバガンを拠点に選んだ。バガンへのフライトは明日早朝。今日1日はタクシーを拾ってヤンゴン周囲のローカルな村を回る予定を立てていた。
 ヤンゴン国際空港に到着し、1日陽が暮れるまでフリーで動いてくれるタクシーを探していたところ、1人のドライバーが声をかけてきた。「どこまで行くのか」という彼の問いに、「今日陽が暮れるまで1日付き合ってほしい」と述べると少し驚いた様子だったが、すぐに値段の交渉が始まった。撮影のパートナーとして、ドライバー兼ガイドとして働いてくる人材である事が条件であるため、英語が通じる彼は適任であった。撮影の為に色々と付き合ってほしい旨を伝え彼との交渉は成立した。

 ドライバーの名前はソウミン。脂が乗った32歳の2児父である。「ヤンゴン市内ならどこだって案内してやる。どこへ行きたい?」彼は市内観光をするつもりでいたらしいが、残念ながら私の興味の対象は市外のローカルな村である。あらかじめグーグルマップの航空写真モードでおおよそのアタリをつけていた場所の方角へ進むことにした。観光地のハイライトを避けてあえて市外へ行けという私に対して彼は、変な外国人を乗せてしまったと思っていただろうか。だが彼は飲み込みが早く、私の意図を素早く察知し快く運転を続けてくれた。田舎に行くならその辺りに詳しい友人をガイドに誘おう、という彼の提案を受け、もう1人ガイドが付く事になった。